No.05892RS 1980s~
Pakistan
1980s / VINTAGE
900 x 630 x 8mm
1980年代のパキスタンで織られたヴィンテージラグ。
一見すると文字や記号のようにも見える細かな幾何学文様が規則正しく並んだ、少し不思議でとても面白いデザインですよね。
このラグの意匠を辿っていくと、中央アジアのトルクメン族によって古くから織られてきた「エンシ(Ensi / Engsi)」と呼ばれるラグとの共通点が見えてきます。
エンシとは、もともとトルクメン族の移動式住居であるユルタの入口を覆うために使われていたラグ。
伝統的なエンシには「ハッチリ」と呼ばれる特徴的な構成があり、フィールドを区画しながら、その内部に小さな幾何学文様や植物を抽象化した文様を繰り返し織り込んでいきます。
こちらはトルクメン族によって織られたエンシそのものではなくパキスタン産ですが、そうしたトルクメンラグの伝統的なデザインから影響を受け、パキスタンの織り手によって再構成されたものと考えると、とても興味深いデザインです。
上部には屋根やアーチのようにも見える建築的なモチーフが置かれ、その下には「T」の文字のようにも、枝分かれした小さな植物のようにも見える文様がびっしりと反復されています。
古いトルクメンのエンシにも、樹木や枝、鉤などを幾何学的に抽象化した文様をフィールドに繰り返すものがあり、離れたパキスタンのラグの中に、中央アジアから受け継がれてきたデザインの面影を感じられるところがこの一枚の面白さです。
配色はベージュをベースに、ローズグレイ、ブラック、アイボリー、サーモンピンクなどを使用。
文様の密度は非常に高いものの、彩度を抑えたスモーキーな色合いでまとめられているため、不思議と静かで落ち着いた印象があります。
サイズは約90 x63㎝と様々な場所に敷きやすいサイズ感で、玄関やベッドサイド、チェアの足元などにも取り入れやすく、ヴィンテージ家具や古い木の家具はもちろん、モルタルやコンクリートなど無機質な空間に合わせてもよく映えます。
遠目には端正な幾何学模様、近づいて眺めるとひとつひとつの小さな文様が現れ、さらにその背景を辿っていくとトルクメンの織物文化へとつながっていく。
デザインのルーツを知ることで、より一層面白さを感じていただけるヴィンテージラグです。
目立たない程度ですが、上部に薄らシミがございますので、最後のお写真をご覧ください。
気になる点や商品の状態についてご質問がございましたら、お気軽にお問い合わせください。