No.02052 1980s~
Iran
1980s / VINTAGE
2660 x 1630mm
ペルシャ絨毯ですが、華々しい印象ではなく民族(トライバル)感を感じます。中央に幾何学模様のメダリオンが入っていて、四隅にもサソリの紋様が入ったデザイン。カシュガイ族という、多くがイランで生活されている遊牧民が織ったラグですが、よく見るカシュガイ族のデザインとも少し変わっていて、面白いです。
代表的なカシュガイ族のラグは、遊牧生活の中で見る動植物がアイコンとして自由気ままに織られているんですが、このコはどちらかというと統一感がしっかりとあって、所々カシュガイ族らしさも見えますが、均一に織られていますよね。
柄は植物の葉や星(八芒星)やお花など、彼らの生活の中でゆかりのあるモノが織られています。意味合いが強いのは四隅のサソリ柄や八芒星で、邪気の侵入を防いでくれる、厄除けの効果があるとされています。
特徴的なのはデザインだけではなくて、ほんっと綺麗な色味に変化していますよね。メインカラーの赤は深みのあるワインレッドに。オレンジなんかは深みを増している箇所があれば、褪色で薄くなっている箇所もあって、自然に作り上げられた色味がとっても素敵です。ネイビーがチャコールグレーに切り返された所は、元々途中で色味を変えて織られた為ですが、全体が一緒に褪色しているので、違和感のないグラデーションに仕上がっています。他にもモスグリーンやクリーム、紫など多彩なウールが使われて織られています。
1980sとは思えない色味の変化、擦れも出てきていて、素敵な雰囲気は既に50年を超えてから呼ばれるオールドラグと何ら変わりません。
短くなりつつあるパイルは8㎜の厚みですが、まだフワッと柔らかくクッション性もしっかりと感じられます。サラッと乾いた肌触りは、ソファ前の足元でも、ダイニングテーブルの足元でも、素足でお使いいただいても心地よいかと思います。