No.01996 1980s~
Afghanistan
1980s / VINTAGE
1970 x 1000mm
統一感のある配色なのでシンプルに見えますが、外側のボーダーには、櫛、お花、羊の角などの柄が1列ごとに織り込まれています。異なったデザインを織っていく手間のかかったボーダーは、職人さん拘りの8列。同系色でまとめられていますが、それでも力強さを感じられます。
中央のフィールドには、ギュルと呼ばれる文様が並んでいます。元々はトルクメン族の支族をそれぞれが表す、ロゴや家紋のような意味があったギュル文様ですが、近年では形状も様々に変化していて、歴史のある文様を新しいデザインとしてラグに反映させています。おそらく植物をモチーフにしたギュル文様ですが、このデザインは私も初めてみました。
トルクメン族が織るラグは基本的に赤と黒で統一されますが、ギュル文様のアウトラインの8角形にはベージュ、ギュル同士の接続部分にはカーキの色が使用されています。深みのあるボルドーの全体に対して対極にいるこの2色でメインデザインを織る事で、フィールドの中で奇抜なラインが浮かび上がり存在感が出ています。
その他ボーダーのラインや柄には、黒・ダークネイビー・朱色のウールが使用されています。
色味の異なるウールを使用して織られた為、下部あたりに薄くラインが見えます。これはダメージでは無く、遊牧民は素材の調達が簡単にはできない環境でラグを織っているので、このように途中で違う色味のウールで繋いで仕上げることがあります。大量生産の中で出てしまうと、欠陥品や不良品と言われてしまうかもしれませんが、私は手織りで織られたトライバルラグならではの温かみを感じるポイントだと思っております。
表面には擦れが出てきていて短くなった見た目に雰囲気がありますが、弾力のあるもっちりとした質感のパイルはまだ7㎜の厚みがあります。ウールはサラっとしていてサッパリとした肌触りです。