No.03424 1980s~
Afghanistan
1980s / VINTAGE
1420 x 940mm
パッと見だとわからない欲張りなデザイン、もしくはトリックアートのように錯覚するデザインといえるミフラーブとメダリオンが織られています。最初に見ると少し中心のメダリオンがズレているのかな?と思いますが、実はメインデザインはミフラーブ。ミフラーブとは凸凹の凸の形をしたデザインで、横から見てみると左側を頭にして凸が織られていますよね。
ミフラーブが織られているラグはプレイヤーラグなどとも呼ばれていますが、それはミフラーブがモスクの中の壁画に描かれている柄で、ムスリムの人たちはこのミフラーブをメッカの方向に向けて礼拝をするからプレイ=お祈りラグと呼ばれているんです。ちなみにですがこのラグの上部に織られている建物はそのモスクをモチーフにして織られているもので、左右にはミナレットという塔も織られています。現在では全てのミフラーブにそういった意味がある訳ではなく、そもそも庶民的に親しみのあるデザインとしてラグに織られている物の方が多い印象です。
特にこのラグなんかは中心に大きなお花をモチーフにしたメダリオンが織られていて、四隅にはメダリオンコーナーも織られていますよね。初見ですとこっちがメインデザインかなと思ってしまう程こちらの印象が強めです。その周りにはお花の柄とペイズリーの元となった柄と言われているボテ柄が織られています。ボテ柄はイガイガとした見た目の柄で、諸説ございますが元々は糸杉の木をモチーフにして織られた柄と言われています。
いやあ〜こんなにデザインが詰まったラグも珍しい。。さすがは自由民族バルーチ族といった面白さがあるデザインですね。
配色には落ち着きのあるネイビーをベースカラーにして、サーモンピンク・ベージュ・ライムグリーン・エメラルドグリーン・ブラウン・ライトブラウン・ナイルブルー・エンジのウールが使用されています。
ネイビーの落ち着いたトーンに植物系のデザインに合わせたグリーンの差し色やベージュの色味が映えていて、落ち着いた雰囲気もあるけど暗くないしっかりと存在感を感じられる配色です。
毛足が擦れていますが厚みは6㎜でバルーチラグの中でも平均的な厚さがございます。表面の短めなウールはサラッとしていて手触りもチクチクせず柔らかな質感です。
全体的に表面のウールが擦れていて、部分的に強く下糸も見えております。短くなっているけど実用性はまだあって、少しやれた馴染んだ雰囲気のラグをお探しの方にはピッタリかと思います。最後のお写真2枚を見ていただけますと味のある雰囲気が伝わるかと思います。