No.0404 1920s~
Afghanistan
1920s / ANTIQUE
1520 x 950mm
100年という長い年月の経過と共に全体の8割ほど毛足が無くなっています。それはもちろん単純に月日が経てば変化が出てくるという事ではなく、少し大袈裟かもしれませんが人から人に繋いで使われて刻まれてきたからこそ現れる美しい歴史と考えています。
毛足がわずかに残っている所を辿ってみると何が織られているのかが見えてきます。
中央に整列して織られているのはサソリをモチーフにした幾何学模様。イガイガしたトゲがある見た目で中央には菱形のイーブルアイという柄が織られています。サソリ柄もイーブルアイも厄除けや魔除けの意味がある柄で、災いが起こらないようにと願いが込められて織られる柄です。
また、中央のフィールドを囲ったボーダーという枠に沿って下から上に向かって植物の木を表した柄が織られています。これは生命の樹という柄で子孫繁栄や長寿祈願を願った縁起の良い柄です。
織られている柄はどれも遊牧民であるバルーチ族らしく意味がある柄が多くてトライバルラグらしい素敵なデザインです。
配色は殆ど毛足が無くなっているのでフィールドのダークブラウンがメインカラーになっていますが、ワインレッド・ボルドー・アイボリーのウールが使用されています。シンプルな配色で全体的に発色も落ち着いているので家具などにも合わせやすいと思います。
毛足が無くなった表面の見た目もインパクトがありますが、褪色した唯一無二の色味も素敵で合わせた家具を引き立ててくれますよ。
全面の毛足が殆ど無くなってしまっているので厚みは5㎜程でクタクタっとしています。表面のウールは撫でるとサラッと乾いたような風合いです。ラグに直接座る場所で使用するというよりは、お気に入りの家具に合わせてご使用いただく方がオススメです。
100年以上の歴史が詰まったラグが現代でも使用する事が出来るという数少ない贅沢な一枚です。