No.04637RX 1920s~
Iran
1920s / ANTIQUE
3300 x 1640 x 7mm
100年以上昔に織られたペルシャ絨毯です。
しっかりと経年による変化が全体に現れていてペルシャ絨毯の使い込まれたラグこそ価値が出るという意味がわかる特別な雰囲気を感じます。
近年トルコを中心に毛足をカットしてヴィンテージ加工されたラグが多く見受けられますがそういった加工は一切なく、時間の経過と共に段々とゆっくり自然に変化してきているので見た目と雰囲気が全く違います。
そんなアンティークラグはもちろん希少価値も高くて年間1万枚以上のラグを見ていますが中々見つからず、ましてやこの3mを超えるサイズなんて見つかっても現地でも価値が高いので価格が合わなくて断念する事が多々ございます。
でもやっぱり古いラグが好きですし素敵なので諦めずに探していると時々今回のラグのようにラッキーがあったりと、年々減ってはきてしまっていますがまだギリギリ見つかることもございます。
そんな博物館級のこちらのアンティークラグはイランで遊牧生活をしていたバルーチ族が織ったものです。
デザインは大きなメダリオンが3つメインに織られていて、周りには八芒星の形をしたお花モチーフの柄、木を表したような幾何学模様が織られています。
遊牧民のバルーチ族らしく形が歪んだ柄や左右対称でない柄なんかもあったり手織り感が満載な所も良いですし、トライバルラグらしいとても民族感が溢れる見た目をしていて素敵なデザインです。
配色はほとんどの色が褪色で変化していて元の色味とは異なっておりますが今見える色としては、ブラウン・コーラルレッド・ダークブラウン・パープル・ワインレッド・オレンジ・ネイビーブルー・アイボリー・テラコッタ色のウールが使用されています。
元々メインカラーは赤だったんじゃないかと思っていますがどうだったのかな〜とかここまで変化してきた道のりを想像するとロマンを感じますよね。
おそらく100年前には遊牧民のテントの中に敷いてあったであろうラグですからね!
また色を部分的に変えて織られています。
これは元からで、わかりやすい所ですとネイビーの部分です。部分的にネイビーが入っている箇所と入っていない箇所がございますがこちらは元から入っていたものだと思われます。
こういった色の切り替わりは物資調達が安定していない遊牧民の織るラグによく見られるもので、途中で使っていた色のウールが無くなってしまった時には近い色で織り繋いでいたりします。
昔は特に物資を手に入れる事が難しかったでしょうから自分達で作っていたり隣に分けてもらったりしていたんでしょうね。
このラグを見ていると経年変化が各所に見られるのでそれだけでも色々な想像が出来て楽しいです。
経糸にもウールを使用していてシングルノット織りで織られている為とても柔らかな質感です。
全体の毛足が擦れて短くなっておりますが厚みは毛足のある箇所で7㎜程ございます。
ラグの上に乗ると厚みは感じられますが、せっかく雰囲気のある良い見た目をしているラグなので、ラグの上でくつろぐというよりもお気に入りの家具に合わせて敷く方がおすすめですよ。
表面の毛足が残っている箇所のウールは柔らかくてサラサラとしていて肌触りも良いです。
ウール特有のチクチクもございませんので安心してご使用ください。
もちろん床暖房の上でもご使用いただけますよ。
上手にお直しされているので気になりませんが補修跡があるのと、セルベッジのウールがちょこっと短くなっておりますので最後のお写真2枚をご確認ください。
その他にご質問等がございましたらお気軽にお問合せください。